所得控除の種類(物的控除)

10種類の所得控除について紹介します。今回は物的控除からです。

・雑損控除

災害又は盗難若しくは横領によって、資産について損害を受けた場合等には、一定の金額の所得控除を受けることができます。これを雑損控除といいます。

控除の金額は次の二つのうちいずれか多い方の金額です。

(1) (差引損失額)-(総所得金額等)×10%

(2) (差引損失額のうち災害関連支出の金額)-5万円

(注1)差引損失額=損害金額(時価)+災害関連支出の金額-保険金等の補てん金額

(注2)「災害関連支出の金額」とは、災害により滅失した住宅、家財などを取壊し又は除去するために支出した金額などです。

また、損失額が大きくてその年の所得金額から控除しきれない場合には、翌年以後(3年間が限度)に繰り越して、所得金額から控除することができます

 

・医療費控除

自己又は自己と生計を一にする配偶者やその他の親族のために医療費を支払った場合には、一定の金額の所得控除を受けることができます。これを医療費控除といいます。

医療費控除の対象となる金額は、次の式で計算した金額(最高で200万円)です。

 (支払った医療費の合計額-保険金等の補てん金額)-10万円

★その年の総所得金額等が200万円未満の人は、総所得金額等の5%の金額

(注) 保険金などで補てんされる金額は、その給付の目的となった医療費の金額を限度として差し引きますので、引ききれない金額が生じた場合であっても他の医療費からは差し引きません。

 

・社会保険料控除

社会保険料控除は、納税者が自己又は自己と生計を一にする配偶者やその他の親族の負担すべき社会保険料を支払った場合又は給与から控除される場合などに受けられる所得控除です。 社会保険料控除の対象となる社会保険料は次のものです。

1 健康保険、国民年金、厚生年金保険及び船員保険の保険料で被保険者として負担するもの

2 国民健康保険の保険料又は国民健康保険税

3 高齢者の医療の確保に関する法律の規定による保険料

4 介護保険料

5 雇用保険の被保険者として負担する労働保険料

6 国民年金基金の掛金

7 厚生年金基金の掛金

8 国家公務員共済組合法、地方公務員等共済組合法、私立学校教職員共済法、恩給法等の規定による掛金、納付金又は納金

9 労働者災害補償保険の特別加入者の規定により負担する保険料

10 地方公共団体の職員が条例の規定によって組織する互助会の行う職員の相互扶助に関する制度で、一定の要件を備えているものとして所轄税務署長の承認を受けた制度に基づきその職員が負担する掛金

11 農業者年金の保険料

12 国家公務員共済組合法等の一部を改正する法律の公庫等の復帰希望職員に関する経過措置の規定による掛金

13 健康保険法附則又は船員保険法附則の規定により被保険者が承認法人等に支払う負担金

14 租税条約の規定により、当該租税条約の相手国の社会保障制度に対して支払われるもの(我が国の社会保障制度に対して支払われる当該租税条約に規定する強制保険料と同様の方法並びに類似の条件及び制限に従って取り扱うこととされているものに限ります。)のうち一定額

 

・小規模企業共済等掛金控除

小規模企業共済等掛金控除は、納税者が小規模企業共済法に規定する共済契約の掛金、確定拠出年金法に規定する個人型年金の加入者掛金及び心身障害者扶養共済制度の掛金を支払った場合に受けられる所得控除です。控除できる掛金は次の三つです。

1 独立行政法人中小企業基盤整備機構と結んだ共済契約の掛金

2 確定拠出年金法に規定する企業型年金加入者掛金又は個人型年金加入者掛金

3 地方公共団体が実施する、いわゆる心身障害者扶養共済制度の掛金(この共済制度とは、地方公共団体の条例で精神又は身体に障害がある者を扶養する者を加入者として、その加入者が地方公共団体に掛金を納付し、当該地方公共団体が心身障害者の扶養のための給付金を定期に支給することを定めている制度のうち一定の要件を備えているものをいいます。)

 

・生命保険料控除

納税者が生命保険料、介護医療保険料及び個人年金保険料を支払った場合には、一定の金額の所得控除を受けることができます。これを生命保険料控除といいます。

平成24年1月1日以後に締結した保険契約等に係る保険料と平成23年12月31日以前に締結した保険契約等に係る保険料では、生命保険料控除の取扱いが異なります。

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(1)平成23年12月31日以前に締結した契約の場合の控除額

25,000円以下・・・支払保険料等の全額

25,000円超50,000円以下・・・支払保険料等×1/2+12,500円

50,000円超100,000円以下・・・支払保険料等×1/4+25,000円

100,000円超・・・一律50,000円

なお住民税については以下の控除金額になります。

15,000円以下・・・支払保険料等の全額

15,000円超40,000円以下・・・支払保険料等×1/2+7,500円

40,000円超70,000円以下・・・支払い保険料等×1/4+17,500円

70,000円超・・・一律35,000円

 

(2)平成24年1月1日以後に締結した契約の場合の控除額

20,000円以下・・・支払保険料等の全額

20,000円超40,000円以下・・・支払保険料等×1/2+10,000円

40,000円超80,000円以下・・・支払保険料等×1/4+20,000円

80,000円超・・・一律40,000円

なお住民税については以下の控除金額になります。

12,000円以下・・・支払保険料等の全額

12,000円超32,000円以下・・・支払保険料等×1/2+6,000円

32,000円超56,000円以下・・・支払い保険料等×1/4+14,000円

56,000円超・・・一律28,000円

 

・地震保険料控除

納税者が特定の損害保険契約等に係る地震等損害部分の保険料や掛金を支払った場合には、一定の金額の所得控除を受けることができます。これを地震保険料控除といいます。

その年に支払った保険料の金額に応じて、次により計算した金額が控除額となります。

・地震保険料

5万円以下・・・支払金額(住民税は支払った保険料の1/2)

5万円超・・・5万円(住民税では2万5千円)

 

・旧長期損害保険料

1万円以下・・・支払金額

1万円超2万円以下・・・支払金額÷2+5千円

2万円超・・・1万5千円

(1)(2)の両方がある場合はそれぞれの方法で計算した金額の合計額(最高5万円)となります。

なお住民税では旧長期損害保険料については以下の通りになります。

5千円以下・・・支払金額

5千円超1万5千円以下・・・支払金額÷2+2500円

1万5千円超・・・1万円

 

・寄付金控除

納税者が国や地方公共団体、特定公益増進法人などに対し、「特定寄附金」を支出した場合には、所得控除を受けることができます。これを寄附金控除といいます。特定寄附金はこちらを確認してください。

算式は以下の通りです。

次のいずれか低い金額-2千円

イ その年に支出した特定寄附金の額の合計額

ロ その年の総所得金額等の40%相当額

 

なお、ここで出てくる「総所得金額等」とは、純損失、雑損失、その他各種損失の繰越控除後の総所得金額、特別控除前の分離課税の長(短)期譲渡所得の金額、株式等に係る譲渡所得等の金額、上場株式等に係る配当所得の金額、先物取引に係る雑所得等の金額、山林所得金額及び退職所得金額の合計額をいいます。


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