取引相場のない株式の評価(法人税)

これまで相続税評価、所得税での譲渡の価額を見てきましたが、最後に法人税の規定についても確認したいと思います。

法人についてはほとんど所得税の規定と一緒になっています。

法人税法基本通達9-1-13では、「上場有価証券等以外の株式の価額」

に関する通達が記載されています。ここでは、次のように定められています。(上場されている場合などは割愛します。)

(1) 売買実例の有るもの

→事業年度終了の日の6ヶ月間において売買のおこなれたもののうち適正と認められるもの

(2) 公開途上にある株式

→証券取引所の内規によって行われる入札により決定される入札後の公募等の

価格等を斟酌して通常取引されると認められる価額

 

(3) 売買実例のないものでその株式等の発行法人と事業の種類、規模、収益の状況等が類似する他の法人の株式等の価額があるもの

→当該価額に比準して推定した価額

(4) (1)から(4)までに該当しないもの

→権利行使日等又は権利行使日等にもっとも近い日におけるその株式等の発行法人の1株当たりの

純資産価額等を参酌して通常取引されると認められる価額

これらはほぼ所得税法基本通達と同様の計算方法となっています。同様に、(1)はそもそも売買実例はほとんどなく実務では使えません。

(2)も希少なパターンです。(3)についても調べることがかなり難しいです。

(4)についてはいったい実際の計算方法はどうなっているのかがわかりません。

 

実務上は特例として記載されている法人税法基本通達9-1-14によって計算することになります。

この通達では課税上弊害がない限り、次の要件を満たせた相続税における評価額を適正な時価として取り扱ってよい旨を規定しています。

その要件とは、

(1)譲渡した法人がその株式の発行会社にとって「中心的な同族株主」に該当する場合には、常に小会社として評価する。

→中心的な同族株主に該当しないときは通常の相続税評価額になります。ただし(2)と(3)については考慮しなくてはなりません。

(2)土地等と上場有価証券については、1株当たり純資産価額の算定にあたり、相続税評価額ではなくその時の時価で評価する。

→上場有価証券はよいですが、土地等については相続税評価額ではなく時価となります。相続税評価額を80%で割り戻した金額でも計算は可能だと思います。

(3)1株当たりの純資産価額の算定にあたり、含み益の42%控除は行わない。

 

原則は相続税評価額に近い評価ですが、「課税上弊害がない限り」という点には注意をしなければなりません。


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